脂漏性皮膚炎
西新井みずの皮膚科クリニックは、足立区・
足立区・
脂漏性皮膚炎とは
脂漏性皮膚炎は、頭皮や顔、耳のまわり、胸など、皮脂の多い部位に起こりやすい湿疹です。
赤み、かゆみ、フケ、カサカサした皮むけ、黄色っぽいベタついた鱗屑などがみられ、良くなったり悪くなったりを繰り返しやすいのが特徴です。
見た目が気になりやすいだけでなく、頭皮では「フケが多い」、顔では「鼻のわきや眉のまわりがずっと赤い」「皮むけを繰り返す」といった悩みにつながることがあります。
適切な治療を行うことで、症状を落ち着かせやすくなります。
主な症状
症状は部位によって少し異なります。
頭皮
・フケが多い
・かゆい
・赤みがある
・生え際まで広がる
顔
・鼻のわき、眉間、眉毛の中、耳の前後に赤みや皮むけが出る
・乾燥しているように見えて、実際は皮脂も多い
胸・背中
・胸の中央を中心に赤みや細かな皮むけが出る
・汗や摩擦で悪化しやすい
原因
脂漏性皮膚炎は、1つの原因だけで起こるわけではなく、いくつかの要因が重なって起こると考えられています。
主な要因としては、次のようなものがあります。
1.皮脂の分泌
皮脂が多い部位では、脂漏性皮膚炎が起こりやすくなります。
そのため、頭皮や顔、胸などに症状が出やすくなります。
2.皮膚にいる常在菌
皮膚にはもともとさまざまな菌がいますが、その中でもマラセチアという酵母様真菌が関与していると考えられています。
この菌自体は珍しいものではありませんが、皮脂の多い環境で増えやすく、炎症を起こしやすくなることがあります。
3.皮膚のバリア機能の低下
乾燥やこすれ、洗いすぎなどで皮膚のバリア機能が低下すると、刺激に敏感になり、炎症が起こりやすくなります。
4.生活習慣や体調
・睡眠不足
・疲労
・ストレス
・季節の変化
・発汗
・不規則な生活
なども悪化要因となることがあります。
診断
脂漏性皮膚炎は、症状が出ている部位や皮疹の特徴、経過から診断することが多い病気です。
例えば、
・皮脂の多い部位に出ているか
・赤みや皮むけの出方
・フケの有無
・良くなったり悪くなったりを繰り返しているか
などを確認しながら診断します。
見た目だけである程度診断できることが多い一方で、似た病気もあるため、必要に応じて他の疾患との見分けが重要になります。
治療
脂漏性皮膚炎の治療では、
・今ある炎症を抑えること
・再発しにくい状態を保つこと
の両方が大切です。
1.抗真菌薬の外用
脂漏性皮膚炎では、マラセチアの関与が考えられるため、ケトコナゾール(ニゾラール®︎)の外用がよく使われます。
2.赤みやかゆみが強いときの外用ステロイド
炎症が強いときには、ステロイド外用薬を併用して早めに赤みやかゆみを抑えます。
部位や症状の強さに応じて使い分けます。
3.頭皮の炎症が強い場合:コムクロシャンプー
頭皮の炎症が強い場合には、コムクロシャンプー0.05%などを短期間使用することがあります
4.洗顔・洗髪・保湿の見直し
脂漏性皮膚炎では、薬だけでなく、洗い方の見直しも大切です。
強くこする、1日に何度も洗う、洗浄力の強すぎる製品を使う、といった習慣で悪化することがあります。
脂っぽく見えても皮膚のバリア機能が乱れていることがあるため、必要に応じて刺激の少ないスキンケアや保湿も大切です。
診断の注意点
脂漏性皮膚炎は比較的よくみられる病気ですが、似た見た目の別の皮膚疾患もあります。
そのため、「赤みとフケがあるから必ず脂漏性皮膚炎」とは限りません。
特に鑑別が必要になることがあるのは、次のような病気です。
・頭部白癬
真菌(カビ)による感染症です。脱毛や強い炎症を伴うことがあります。
・乾癬
境界が比較的はっきりした赤みや厚い鱗屑がみられることがあります。頭皮にもよく出ます。
・アトピー性皮膚炎
顔や頭頸部に湿疹が出ることがあり、体質や他部位の症状も参考にします。
・接触皮膚炎(かぶれ)
整髪料、化粧品、ヘアカラー、洗顔料などが原因になることがあります。
・酒さ、口囲皮膚炎
顔の赤みが中心の場合には見分けが必要です。
・皮膚カンジダ症
わきや陰部、皮膚のこすれやすい部位では鑑別が必要になることがあります。
症状が典型的でない場合や、治療してもなかなか良くならない場合には、真菌の検査や、ほかの病気を考慮した診察が必要になることもあります。
日常生活で気をつけたいこと
脂漏性皮膚炎は体質や生活習慣の影響も受けやすいため、日常生活の見直しも大切です。
洗いすぎない
皮脂が気になるからといって洗いすぎると、かえって皮膚が荒れて悪化することがあります。やさしく洗い、しっかりすすぐことが大切です。
・強くこすらない
タオルや指でゴシゴシこすると炎症が長引きます。洗顔や洗髪はやさしく行いましょう。
・生活リズムを整える
睡眠不足や疲労、ストレスが悪化に関係することがあります。無理のない範囲で生活リズムを整えることが、再発予防につながります。
・自己判断で薬を中断しない
一時的に良くなっても、途中で急に薬をやめると再発しやすいことがあります。症状が落ち着いた後の使い方も含めて、医師と相談しながら続けることが大切です。
当院の脂漏性皮膚炎の治療
当院では、皮疹の出ている部位や症状の強さ、再発のしやすさを丁寧に確認したうえで、
「今ある炎症をしっかり抑える治療」と「再発をできるだけ防ぐための治療」を大切にしています。
・「フケがなかなか治らない」
・「顔の赤みや皮むけを繰り返す」
・「市販薬で良くなってもすぐ再発する」
といったお悩みに対しても、外用薬の使い分けや洗顔・洗髪方法、日常のスキンケアを含めてわかりやすくご説明します。
また、脂漏性皮膚炎と思っていた症状の中には、乾癬や白癬、かぶれなど別の病気が隠れていることもあります。
症状が長引く場合や治りにくい場合も、必要に応じてほかの皮膚疾患も考慮しながら診察いたします。
よくある質問
Q.脂漏性皮膚炎はうつりますか?
A.一般的には人にうつる病気ではありません。
皮膚の状態や皮脂、常在菌とのバランスが関係して起こる湿疹です。
Q.フケが多いのは脂漏性皮膚炎ですか?
A.そうとは限りません。
乾燥、接触皮膚炎、乾癬、頭部白癬などでもフケのように見えることがあります。
赤みやかゆみを伴う時は皮膚科での確認が安心です。
Q.一度治ればもう繰り返しませんか?
A.脂漏性皮膚炎は再発しやすい病気です。
ただし、悪化時に適切に治療し、再発しにくいスキンケアや生活習慣を整えることで、コントロールしやすくなります。
Q.市販薬で様子を見ても良いですか?
A.軽い症状であれば市販薬が役立つこともありますが、
似た病気が隠れていることもあるため、繰り返す場合や長引く場合は皮膚科受診がおすすめです。
まとめ
脂漏性皮膚炎は、頭皮や顔などの皮脂の多い部位に起こりやすい湿疹で、赤み、かゆみ、フケ、皮むけなどを繰り返すことがあります。
適切な治療を行うことで症状を落ち着かせることができ、洗顔・洗髪方法や日常のスキンケアを見直すことで再発予防にもつながります。
気になるフケや顔の赤みが続く場合は、自己判断せず、お気軽にご相談ください。
※本記事は、当院院長が医学的知見と日常診療をもとにまとめています。
西新井みずの皮膚科クリニック
院長 水野 謙太
日本専門医機構認定 皮膚科専門医
