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痒疹(ようしん)

西新井みずの皮膚科クリニックは、足立区・西新井エリアの皆さまにとって、皮膚のお悩みを気軽に相談できる「かかりつけ皮膚科クリニック」を目指しています。

足立区・西新井にて痒疹(ようしん)でお悩みの方はご相談ください。

痒疹(ようしん)とは

痒疹(ようしん)は、強いかゆみを伴うぶつぶつしこりができる皮膚の病気です。強いかゆみが続き、掻くことでさらに悪化しやすい皮疹で、病気の見え方としては、比較的小さなぶつぶつが主体のものから、硬く盛り上がったしこりが目立つものまであります。なかでも慢性的に続く痒疹は、中高年に多く、日常生活や睡眠、気分にも大きく影響しやすい病気です。 
痒疹はひとつの病名というより、いくつかのタイプを含む概念です。代表的には、結節性痒疹多形慢性痒疹、そのほかに分類される痒疹があります。

主な症状

痒疹では、非常に強いかゆみがもっとも大きな症状です。皮疹は、赤みを帯びた小さな盛り上がりとして始まることもあれば、次第に硬いしこり状の病変になっていくこともあります。結節性痒疹では、暗褐色で硬いドーム状またはいぼ状の結節が、四肢の伸ばす側を中心に、時に体幹にも広くみられます。多形慢性痒疹では、側腹部、臀部、大腿外側などに、強いかゆみを伴う丘疹が出て、集まって厚くなることがあります。 
かゆみが強いため、掻きこわし、かさぶた、色素沈着、ざらつきが目立つことも少なくありません。結節性痒疹は治療に時間がかかることがあり、皮疹が長引くと跡が残ったように見えることもあります。

原因

痒疹の原因はひとつではありません。
虫刺され、腎機能障害、肝障害、糖尿病、悪性腫瘍や血液疾患、アトピー性皮膚炎に関連したもの、薬剤、金属アレルギー、妊娠、心因性要因、原因がはっきりしないものなど、さまざまな背景が挙げられています。 
また、痒疹ではかゆみと掻く刺激の悪循環が病状を長引かせます。
特に結節性痒疹では、かゆみに関わるサイトカインや神経の異常が関与すると考えられており、単なる「掻きすぎ」だけでは説明できない難治性の病態があることもわかってきています。

検査および診断

 診断は、まず皮疹の見た目、分布、経過、かゆみの程度を丁寧に確認することから始まります。
そのうえで、虫刺され、アトピー性皮膚炎、薬剤、内科的疾患など、背景となる原因がないかを診ていきます。
痒疹は見た目だけで診断できることもありますが、似た病気が少なくないため、問診と診察がとても重要です。 
検査としては、必要に応じて血液検査を行います。
また、疥癬や類天疱瘡など、見た目が似た別の病気との区別が必要なときは、皮膚の一部を採取して調べる検査(皮膚生検)を行うことがあります。

治療

痒疹の治療では、まず原因や背景疾患があればその治療を行うこと、そして皮膚の炎症とかゆみを抑えることが大切です。
ステロイド外用薬が第一選択であり、必要に応じて抗ヒスタミン薬、保湿、局所注射、紫外線療法などを組み合わせます。 
症状が強い場合や長引く場合には、タクロリムス外用、活性型ビタミンD3外用、ガバペンチンやプレガバリンなどの内服、シクロスポリンなどが検討されることがあります。いずれも患者さんごとに向き不向きがあるため、皮疹のタイプ、年齢、持病、副作用のリスクを見ながら選びます。

紫外線療法も、難治例では有効性が期待される治療のひとつです。

さらに近年は、結節性痒疹に対して生物学的製剤という新しい治療選択肢が使えるようになっています。現在の日本では、
デュピルマブ(デュピクセント®︎)は既存治療で効果不十分な結節性痒疹の成人に対して承認されており、初回600mg、その後300mgを2週間ごとに皮下注射します。
デュピルマブはIL-4/IL-13のシグナルを抑える薬です。 

また、ネモリズマブ(ミチーガ®︎)は既存治療で効果不十分な結節性痒疹の成人および13歳以上の小児に対して承認されており、初回60mg、その後30mgを4週間ごとに皮下注射します。
ネモリズマブはIL-31受容体Aを標的とする抗体で、かゆみに深く関わる経路に作用します。 
なお、生物学的製剤はすべての痒疹に使う治療ではなく、主に結節性痒疹で、既存治療では十分な改善が得られない場合に検討する治療です。導入にあたっては、病型が本当に結節性痒疹か、ほかの病気ではないかを丁寧に確認することが重要です。

診断の注意点

痒疹は、見た目が似た病気と区別しなければならないことがあります。
日本皮膚科学会ガイドラインでは、特に
疥癬、一時的棘融解性皮膚症、類天疱瘡、結節性類天疱瘡、痒疹型先天性表皮水疱症などとの鑑別が重要とされています。 

また、かゆみが強い、広がっている、治療してもなかなか良くならない、という場合には、皮膚だけの病気ではなく、腎臓・肝臓・血液・内分泌の病気や悪性腫瘍などが隠れていないかを考える必要があります。
単に「掻きむしっているだけ」と決めつけず、必要なときには全身の評価を行うことが大切です。

日常生活で気をつけたいこと

痒疹では、掻くこと自体が悪化要因になりやすいため、できるだけ皮膚への刺激を減らすことが大切です。
保湿を続けて乾燥を防ぐ、爪を短くする、こすれやすい服を避ける、暑さや寝具の蒸れでかゆみが強くならないようにする、といった工夫が役立ちます。 

かゆみが我慢できないときは、強く掻くよりも、冷やす、手のひらで軽く押さえる、患部を保護するなどの方法が勧められます。
毎日の小さな工夫が、治療の効果を高めることにつながります。

当院の痒疹(ようしん)の治療

当院では、まず皮膚の状態を丁寧に診察し、痒疹なのか、ほかの皮膚疾患なのかを見極めたうえで治療方針を決めます。
痒みを抑えることだけでなく、なぜその皮疹が続いているのか、背景に別の病気が隠れていないかにも目を向けながら診療します。

治療は、ステロイド外用薬や保湿剤を基本に、必要に応じて内服治療、局所注射、紫外線治療を組み合わせます。
皮疹が硬くなって長引いている方、掻き壊しを繰り返してしまう方、夜も眠れないほどかゆい方には、生活上の工夫も含めて具体的にご説明します。

また、結節性痒疹で既存治療の効果が不十分な場合には、生物学的製剤も含めて検討します。
「いろいろ塗っても良くならない」「かゆみで生活に支障が出ている」といった方も、お早めにご相談ください。

このような場合は早めの受診をおすすめします

・かゆみが強く、夜眠れない
・同じ場所を何度も掻いてしまい、しこりのように硬くなってきた
・市販薬を使っても改善しない
・皮疹が広がってきた
・何カ月も続いている
・腎臓・肝臓・糖尿病・血液疾患などの持病がある
・ほかの病気ではないか心配
・強いかゆみとともに全身症状や体調不良もある

痒疹は、早めに適切な治療を始めるほど、掻く悪循環を断ち切りやすくなります。

よくある質問

Q.痒疹は、ただの「かゆい湿疹」と違うのですか?
A. 痒疹は、強いかゆみを伴う丘疹や結節を主徴とする反応性皮膚疾患です。湿疹の一部として見えることもありますが、結節性痒疹のように硬いしこりが目立つタイプもあり、一般的な湿疹とは治療の考え方が少し異なることがあります。 

Q.痒疹は人にうつりますか?
A. 痒疹そのものは反応性皮膚疾患として扱われます。ただし、疥癬など、見た目が似ていて感染性のある病気との鑑別は重要です。自己判断せず、気になる皮疹は皮膚科で確認することをおすすめします。 

Q.かゆみ止めの飲み薬だけで良くなりますか?
A. 抗ヒスタミン薬は補助的に使われますが、痒疹では外用治療、保湿、原因検索、必要に応じた追加治療を組み合わせることが大切です。薬だけでなく、掻く刺激を減らす工夫も治療の一部です。 

Q.跡は残りますか?
A. 長く続いた痒疹では、色素沈着や硬いしこりがしばらく残ることがあります。掻きこわしが続くと治りにくくなるため、早めの治療が大切です。 

Q.生物学的製剤は誰でも使えますか?
A. 現在の日本で承認されている生物学的製剤は、主に既存治療で効果不十分な結節性痒疹に対して使われます。デュピルマブは成人、ネモリズマブは成人および13歳以上の小児が対象です。病型、年齢、重症度、これまでの治療経過を確認したうえで適応を判断します。 

Q.痒疹は治りますか?
A. 改善する方は多い一方で、結節性痒疹は治療に時間がかかり、慢性的に経過することもあります。症状に合わせて治療を調整しながら、かゆみと掻破の悪循環を断つことが大切です。

まとめ

痒疹は、強いかゆみを伴うぶつぶつやしこりが続く皮膚疾患で、虫刺されのように見える軽いものから、硬い結節が目立つ難治性のものまで幅があります。背景に皮膚疾患だけでなく内科的な病気が隠れていることもあるため、長引く場合や治りにくい場合は、原因も含めて丁寧にみていくことが大切です。 

特に結節性痒疹では、従来の外用・内服・紫外線療法に加えて、生物学的製剤という新しい選択肢も使えるようになってきました。つらいかゆみを我慢し続けず、早めに皮膚科へご相談ください。
※本記事は、当院院長が医学的知見と日常診療をもとにまとめています。

 

西新井みずの皮膚科クリニック
院長 水野 謙太
日本専門医機構認定 皮膚科専門医

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