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やけど(熱傷)

やけど(熱傷)とは

やけどは医学的には熱傷と呼ばれ、熱いものに触れる、熱湯がかかる、蒸気に当たる、火が燃え移る、薬品や電気による刺激を受けるなどして、皮膚が傷つく状態です。
一見すると軽そうに見えても、実際には皮膚の深いところまで傷んでいることがあります。
特に顔・手・足・関節・陰部のやけどや、広い範囲のやけど、小さなお子さんやご高齢の方のやけどは注意が必要です。
熱傷は深さによって「表面だけのやけど」から「皮膚の全層に及ぶ深いやけど」まで分かれ、深いほど治るまでに時間がかかり、跡が残るリスクも高くなります。 

一般的な“やけど”のほかに、電撃症や化学損傷、顔や手などの後遺症を残しやすい特殊部位の熱傷は特に慎重な対応が必要とされています。 

やけどの重症度は、主に
1. 深さ
2. 広さ
3. 部位
4. 年齢や持病の有無
で判断します。
見た目だけでは重症度を正確に判断できないこともあり、受傷直後は浅く見えても、その後に深く評価されることがあります。

主な症状

やけどの症状は深さによって異なります。

浅いやけどでは、赤み、ひりひりした痛み、熱感が主な症状です。日焼けのような状態に近いこともあります。
少し深いやけどになると、水ぶくれができ、強い痛みを伴うことがあります。
さらに深いやけどでは、皮膚が白っぽい、まだら、黒っぽい、革のように硬いなどの見た目になり、逆に神経が傷んで痛みが弱いこともあります。 

また、広い範囲のやけどでは、皮膚の傷だけでなく、脱水、感染、腫れ、発熱、全身状態の悪化が起こることがあります。煙を吸い込んだ場合は、のどの痛み、咳、息苦しさ、鼻毛が焦げている、顔のやけどなどが手がかりとなり、気道の障害を伴うこともあります。

原因

やけどの原因として多いのは、次のようなものです。

・熱湯、みそ汁、スープ、カップ麺、ポットのお湯
・フライパン、鍋、魚焼きグリル、炊飯器の蒸気
・アイロン、ヘアアイロン
・ストーブ、ヒーター、湯たんぽ、カイロ
・花火、たばこ、火炎
・電源コード、家電、コンセントなどによる電気
・洗剤、漂白剤、薬品などによる化学熱傷

特に日常生活では、乳幼児の熱湯熱傷、料理中の油はねや蒸気、低温やけどがよくみられます。
低温やけどは、そこまで熱くない温度でも長時間触れていることで起こり、見た目以上に深くなることがあります。
電気や化学薬品によるやけどは、皮膚表面の傷が軽く見えても内部の障害が隠れていることがあるため注意が必要です。

検査および診断

やけどの診断では、まずいつ・何で・どのくらいの時間やけどしたかを確認し、皮膚の色、痛み、水ぶくれの有無、乾燥の程度、白さや黒さ、感覚の残り方などから深さを評価します。
さらに、やけどの広さも確認します。小さいやけどでは、患者さん自身の手のひら全体がおおよそ体表面積の1%の目安になります。
大きめのやけどでは、医療者が体表面積の割合を計算して重症度を判断します。 

必要に応じて、感染の有無、創の状態、周囲の腫れを確認します。
電気熱傷では、皮膚の見た目だけでは内部障害の程度がわからないため、一般的なやけど以上に慎重な評価が必要です。
状況によっては、連携医療機関で心電図や血液検査などが必要になることもあります。

治療

やけどの治療は、深さ・広さ・部位・受傷からの時間に応じて変わります。
まず大切なのは、受傷直後の適切な応急処置です。
一般に、やけどしたら
熱源から離れ、衣類やアクセサリーを無理のない範囲で外し、流水で20分程度冷やすことが勧められます。
氷や氷水を直接当てたり、油・バター・自己判断のクリームを塗ったりすることは推奨されません。

軽いやけどであれば、創部を清潔に保ち、状態に合わせた外用治療や被覆材で保護しながら治していきます。
浅い部分までのやけどは、適切に管理できれば比較的きれいに治ることも多いですが、深い部分まで及ぶやけどでは治るまでに2週間以上かかりやすく、瘢痕やひきつれが残ることがあります。
深い熱傷や範囲の広い熱傷では、専門施設での治療や、場合によっては手術が必要になることもあります。 

水ぶくれについては、一律に自宅でつぶすのではなく、大きさや部位、感染リスク、創の深さの見極めが大切です。
大きい水疱は排液が望ましい場合があるとされており、実際には医療機関で適切に処置した方がよいケースがあります。

診断の注意点

やけどは、最初の見た目だけで深さを断定できないことがあります。
受傷直後は赤いだけに見えても、時間が経つと白っぽくなったり、血流が悪くなって深く評価されることがあります。
特に低温やけど、化学熱傷、電気熱傷は見た目以上に深いことがあります。 

また、顔・手・足・関節・陰部のやけどは、範囲が小さくても機能面や整容面への影響が大きいため、慎重に判断する必要があります。さらに、糖尿病などの持病がある方、免疫が弱っている方、小児、ご高齢の方では、感染や治癒遅延にも注意が必要です。

日常生活で気をつけたいこと

やけどした部分は、自己判断でいじりすぎないことが大切です。
水ぶくれを無理につぶす、こする、はがすと、感染や治りの遅れにつながることがあります。
創部は清潔を保ち、医師から指示された方法で保護しましょう。自己判断で水ぶくれを破ったり、油性のものを塗ったりしないことが案内されています。 

治療中は、摩擦や圧迫を避け、患部を保護することが重要です。
治ったあともしばらくは
赤みや色素沈着が残ることがあり、紫外線で目立ちやすくなることもあります。
深めのやけどでは、肥厚性瘢痕やひきつれが問題になることがあるため、経過をみながら必要なケアを行います。

当院の治療

当院では、やけどの状態を丁寧に診察し、深さ・範囲・部位を見極めたうえで、創の状態に応じた治療をご提案します。
「このまま様子を見てよいのか不安」
「水ぶくれをどう扱えばよいかわからない」
「跡が残らないか心配」

といったお悩みにも、できるだけわかりやすくご説明いたします。

軽症のやけどでは、創部の保護、外用治療、被覆材の選択、痛みへの対応を行いながら、きれいに治すことを目指します。
顔や手などの跡が残りやすい部位、深さの判断が難しいやけど、感染が疑われるやけどについては、慎重に経過をみてまいります。

また、重症熱傷、広範囲熱傷、気道熱傷、電気・化学熱傷など、より高度な治療が必要と判断される場合には、適切な高次医療機関へ速やかにご紹介いたします。

このような場合は早めの受診をおすすめします

・水ぶくれができている
・白い、黒い、感覚が鈍いなど、深そうに見える
・顔、手、足、関節、陰部のやけど
・やけどの範囲が広い
・強い痛みが続く、または逆に痛みが乏しい
・赤みや腫れが広がる、膿が出る、発熱がある
・小さなお子さんやご高齢の方のやけど
・糖尿病など持病がある
・化学薬品や電気によるやけど
・煙を吸った可能性がある、息苦しい、咳が出る

よくある質問

Q.やけどしたら、まず何をすればよいですか?
A.まずは熱源から離れ、無理のない範囲で衣類やアクセサリーを外し、流水で20分程度冷やしてください。
氷を直接当てるのは避けましょう。広い範囲では冷やしすぎにも注意が必要です。 

Q.水ぶくれはつぶしたほうがよいですか?
A.自己判断でつぶすのはおすすめしません。
水ぶくれの大きさ、部位、感染の有無、やけどの深さによって対応が異なるため、心配な場合は皮膚科でご相談ください。 

Q.市販の軟膏を塗って様子を見てもよいですか?
A.軽いやけどでは保護だけでよいこともありますが、自己判断でさまざまな薬を塗ると、創の状態がわかりにくくなることがあります。
特に深さが不明な場合や水ぶくれがある場合は、受診をおすすめします。氷や油性のものは避けてください。 

Q.やけどは跡が残りますか?
A.浅いやけどは比較的跡が残りにくい一方、深い熱傷や治るまでに2週間以上かかる熱傷では、色素沈着、赤み、盛り上がり、ひきつれが残ることがあります。早めに適切な治療を受けることが大切です。 

Q.小さいやけどでも受診したほうがよいですか?
A.小さくても、顔・手・足・関節・陰部のやけどは受診をおすすめします。
また、乳幼児や高齢の方、糖尿病などの持病がある方も早めの相談が安心です。 

Q.電気のやけどは見た目が軽ければ大丈夫ですか?
A.必ずしもそうではありません。
電気熱傷では、皮膚表面よりも内部の組織障害が強いことがあり、外見だけでは重症度を判断できません。
早めの医療機関受診が大切です。

まとめ

やけど(熱傷)は、ありふれた外傷に見えても、深さ・広さ・部位によって治療方針が大きく変わる病気です。
特に、水ぶくれがある、深そうに見える、顔や手などの大切な部位にできた、範囲が広いといった場合は、早めの受診が安心です。
適切な初期対応と、その後の創管理によって、痛みの軽減や傷あと予防につながります。
※本記事は、当院院長が医学的知見と日常診療をもとにまとめています。

院長 水野 謙太

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