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毛孔性苔癬

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)とは

毛孔性苔癬は、毛穴に角質がたまることで、皮膚がざらざら・ぶつぶつして見える良性の皮膚症状です。
特に二の腕、太もも、お尻などに出やすく、小児から思春期、若い方によくみられます。
感染する病気ではなく、体質や乾燥が関わることが多いとされています。 

主な症状

もっとも多いのは、二の腕の外側太ももの前面〜外側にみられる、細かいぶつぶつとしたざらつきです。
色は肌色のこともあれば、赤みを帯びたり、肌の色に応じてやや茶色っぽく見えたりすることもあります。
多くは痛みを伴いませんが、乾燥が強いときや炎症を伴うと、
かゆみ赤みが出ることがあります。
頬やお尻、体幹にみられることもあります。

原因

原因はひとつではありませんが、毛穴の周囲で角質がうまくはがれず、毛穴にたまってしまうことが主なしくみです。
体質的な要因が関与すると考えられており、ご家族内で似た症状がみられることもあります。
また、
乾燥肌アトピー素因のある方に目立ちやすいことがあり、冬場や空気が乾燥する時期に悪化しやすいとされています。

検査および診断

毛孔性苔癬は、基本的には皮膚の見た目と触ったときの所見から診断します。
典型的な場合は、特別な検査をしなくても診断できることがほとんどです。
症状が非典型的な場合や、別の病気との区別が必要な場合には、ダーモスコピーで詳しく観察したりすることがあります。

治療

毛孔性苔癬は「完全になくす」というより、ざらつきや赤みを和らげて、肌を整えていく治療が中心になります。
基本は保湿で、乾燥を改善するだけでも手触りがやわらぐことがあります。
さらに、尿素、乳酸、サリチル酸、グリコール酸、レチノイドなどを含む外用薬やスキンケア製品が、角質をやわらげてぶつぶつを目立ちにくくするのに役立つことがあります。
赤みやかゆみが強い場合には、炎症を抑える外用薬を短期間使うことがあります。
症状が強い場合には、赤みを目立ちにくくする目的でレーザーや光治療が検討されることもありますが、向いている方は限られます。

診断の注意点

毛孔性苔癬はよくある症状ですが、にきび、毛嚢炎、湿疹、感染症など、見た目が似た別の病気と紛らわしいことがあります。
また、顔の赤みが目立つタイプや、眉毛の外側が薄くなるタイプ、へこみを伴う特殊なタイプなど、毛孔性苔癬に関連した病型がみられることもあります。
単なる“肌質”と思っていても、実際には別の治療が必要なことがあるため、赤み・かゆみ・炎症が強い場合は診断を確認することが大切です。

日常生活で気をつけたいこと

日常生活では、まず「こすりすぎないこと」が大切です。
強いスクラブやナイロンタオルでの摩擦、爪でつまむ・潰すといった刺激は、かえって赤みや色素沈着を目立たせることがあります。
入浴は熱すぎるお湯を避け、短めにし、洗浄料は低刺激のものを選ぶと安心です。
入浴後はできるだけ早めに保湿を行い、乾燥しやすい季節はとくにこまめなスキンケアを心がけましょう。

当院の治療

当院では、まず本当に毛孔性苔癬なのかを丁寧に見極めたうえで、乾燥の程度、赤みやかゆみの有無、湿疹や毛嚢炎などの合併がないかを確認します。
そのうえで、保湿を中心とした治療でよいのか、角質をやわらげる外用を取り入れるのか、炎症を抑える治療を加えるのかを、皮膚の状態に合わせてご提案します。

また、ざらつきや毛穴の角化が目立つ方には、必要に応じてサリチル酸マクロゴールによるピーリングをご提案することがあります。
古い角質を整え、肌のざらつきやぶつぶつの改善を目指す治療ですが、赤みや刺激が出やすい場合もあるため、肌状態を確認しながら適応を見極めて行います。

見た目が気になるけれど刺激の強い治療は避けたい、という方にも、継続しやすい現実的なケアをご説明します。

このような場合は早めの受診をおすすめします

二の腕のぶつぶつと思っていても、赤みが強い、かゆみがつらい、膿をもつ、急に広がってきた、顔や眉毛周囲まで目立つ、跡になりそうで心配、といった場合は早めの受診をおすすめします。
また、市販の保湿剤を続けても改善しない場合や、にきび・毛嚢炎など別の病気か判断がつかない場合も、皮膚科で確認することが安心につながります。

よくある質問

Q.毛孔性苔癬はうつりますか?
A. うつる病気ではありません。細菌やウイルスによる感染症ではなく、角質のたまり方や体質が関係する良性の皮膚症状です。 

Q.放っておいても大丈夫ですか?
A. 多くは健康上大きな問題はなく、治療が必須ではないことも少なくありません。
ただし、見た目が気になる、乾燥やかゆみがある、別の病気との区別が必要、という場合は受診をおすすめします。 

Q.きれいに治りますか?
A. 改善は期待できますが、体質的な背景もあるため、完全に消えて再発しないとは限りません。
治療を中止すると再び目立ってくることもあります。一方で、年齢とともに目立ちにくくなる方もいます。 

Q.子どもにもよくありますか?
A. はい。小児から思春期にかけてよくみられます。
乾燥肌や湿疹体質を伴うこともあり、年齢とともに落ち着くことがあります。 

Q.こすって落とした方がよいですか?
A. 強くこすると悪化することがあります。
やさしい洗い方と保湿が基本で、角質ケアを行う場合も刺激の少ない方法を選ぶことが大切です。 

Q.市販薬でよくなりますか?
A. 保湿剤や、尿素・乳酸・サリチル酸などを含む製品で改善することがあります。
ただし、刺激が強すぎると赤みや乾燥が悪化することがあるため、肌に合わない場合は無理をせず皮膚科で相談してください。

まとめ

毛孔性苔癬は、二の腕などにみられる細かいぶつぶつ・ざらつきの原因としてよくある状態です。
感染する病気ではなく、命に関わるものではありませんが、乾燥や摩擦で目立ちやすくなり、見た目や手触りが気になる方は少なくありません。
保湿を基本に、皮膚の状態に合わせた角質ケアや外用治療を行うことで、症状の改善が期待できます。
気になるぶつぶつが長く続くときや、赤み・かゆみが強いときは、自己判断せず皮膚科へご相談ください。
※本記事は、当院院長が医学的知見と日常診療をもとにまとめています。

院長 水野 謙太

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