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トレチノイン・ハイドロキノン

トレチノイン・ハイドロキノン外用薬とは

トレチノイン・ハイドロキノンは、しみ・くすみ・炎症後色素沈着などに対して使用されることがある外用薬です。
一般的な美白化粧品とは異なり、肌の状態やしみの種類に合わせて、医師の診察のもとで使用することが大切です。

トレチノインは肌のターンオーバーを促し、ハイドロキノンはメラニンの生成を抑える目的で使用します。
それぞれ作用が異なるため、症状に応じて単独または組み合わせて使用します。

特にトレチノインは赤み・皮むけ・ヒリヒリ感などが出やすく、ハイドロキノンもかぶれや刺激症状を起こすことがあります。
当院では、診察でしみの種類や肌質を確認したうえで、使用方法をご説明します。

それぞれの外用薬の特徴・概要

トレチノインの特徴

トレチノインは、ビタミンA誘導体の一種です。
皮膚のターンオーバーを促し、メラニンを含んだ古い角質や表皮細胞の排出を助ける作用が期待されます。

しみ、くすみ、にきび跡の色素沈着、炎症後色素沈着、毛穴のつまり、肌のざらつきなどに対して使用されることがあります。

使用開始後は、赤み・皮むけ・乾燥・ヒリヒリ感などが出ることがあります。
これはトレチノインによる反応としてみられることがありますが、症状が強い場合は使用量や使用頻度の調整が必要です。

ハイドロキノンの特徴

ハイドロキノンは、メラニンの生成を抑える作用が期待される外用薬です。
「肌全体を白くする」というより、過剰に作られるメラニンを抑え、しみや色素沈着を目立ちにくくすることを目的に使用します。

肝斑、炎症後色素沈着、レーザー治療後の色素沈着予防、しみ治療の補助などで使用されることがあります。

一方で、肌に合わない場合は赤み・かゆみ・かぶれなどを起こすことがあります。
まれに、長期間の不適切な使用により色調変化や青黒い色素沈着が報告されることもあります。

適応

トレチノイン・ハイドロキノン外用薬は、以下のようなお悩みに対して使用を検討します。

  • 老人性色素斑、いわゆる日光によるしみ
  • 肝斑
  • 炎症後色素沈着
  • にきび跡の色素沈着
  • 湿疹・虫さされ・やけど後の色素沈着
  • レーザー治療後の色素沈着予防・改善の補助
  • くすみ、肌の色むら
  • 毛穴のつまり、肌のざらつき

ただし、しみにはさまざまな種類があります。
老人性色素斑、肝斑、ADM、そばかす、ほくろ、悪性黒色腫などは、見た目だけで判断が難しいこともあります。

すべてのしみにトレチノイン・ハイドロキノンが適しているわけではありません。
まずは診察でしみの種類を確認し、外用薬が適しているかを判断します。

使用方法・用法用量

トレチノイン・ハイドロキノンは、医師の診察のうえで、肌質やしみの種類に合わせて使用方法を決定します。
基本的には、トレチノインは夜1回、ハイドロキノンは1日1〜2回、気になる部分に薄く塗布します。いずれの薬剤も、厚く塗れば早く効くものではありません。
塗りすぎると、赤み・皮むけ・ヒリヒリ感・かぶれ・色素沈着の悪化につながることがあります。

塗る順番

トレチノインとハイドロキノンを同じ部位に使用する場合、当院では基本的に以下の順番でご案内します。

夜:洗顔 → 保湿 → トレチノイン → ハイドロキノン → 必要に応じて保湿

トレチノインは刺激が出やすいため、まず少量を薄く塗ります。
その後、薬がなじんでからハイドロキノンを重ねて塗ります。

肌が敏感な方、赤みが出やすい方、乾燥しやすい方では、以下のように調整することがあります。

  • ハイドロキノンのみから開始する
  • トレチノインを2〜3日に1回から開始する
  • トレチノインを隔日使用にする
  • 保湿剤を先に塗って刺激を軽減する
  • 赤みが強い時期は一時的に休薬する

海外で承認されている肝斑治療薬の配合剤では、トレチノイン0.05%・ハイドロキノン4%などを含む外用薬が、夜1回、就寝前に薄く塗る方法で使用されています。外用中は日中の紫外線対策が重要とされています。

トレチノインの用法用量

トレチノイン 0.025%

使用回数:原則として夜1回

初めて使用する方、敏感肌の方、赤みが出やすい方は、まずは2〜3日に1回、夜のみから開始します。問題がなければ、肌の状態を見ながら1日1回、夜のみへ増やします。

トレチノイン 0.05%

使用回数:原則として夜1回

0.025%で刺激が少なく、より積極的な治療が必要と判断した場合に使用を検討します。
0.05%は刺激症状が出やすいため、最初は隔日または週2〜3回から開始することがあります。

塗る量の目安

トレチノインは、しみや色素沈着の部分にごく少量を薄く塗ります。
顔全体に広く塗るのではなく、原則として医師から指示された部位に使用してください。

目安としては、1か所につき米粒より少ない程度から開始します。

目のまわり、口角、小鼻のわき、首などは刺激が出やすい部位です。
自己判断で広範囲に塗らないようにしてください。

ハイドロキノンの用法用量

ハイドロキノン5%

使用回数:1日1〜2回

ハイドロキノン5%は、比較的使いやすい濃度として、しみ・くすみ・炎症後色素沈着などに使用します。
初めてハイドロキノンを使用する方や、肌が敏感な方では、まずは夜1回から開始します。

刺激症状がなければ、肌の状態を確認しながら朝・夜の1日2回使用を検討します。

朝に使用する場合は、必ず日焼け止めを併用してください。
紫外線対策が不十分な場合、かえって色素沈着が悪化することがあります。

ハイドロキノン10%

使用回数:原則として夜1回

ハイドロキノン10%は、5%よりも高濃度の外用薬です。
より積極的な治療が必要と判断した場合に使用を検討します。

高濃度のため、赤み・かゆみ・ヒリヒリ感・乾燥・かぶれなどの刺激症状が出やすくなる可能性があります。
そのため、当院では原則として夜1回、気になる部分にのみ少量を薄く塗布する方法をご案内します。

初めて使用する方や刺激が出やすい方では、2〜3日に1回または隔日から開始することがあります。肌の状態を見ながら、使用頻度を調整します。

ハイドロキノン10%は、顔全体への使用や広範囲への使用はおすすめしていません。
必ず医師から指示された部位にのみ使用してください。

塗る量の目安

ハイドロキノンは、しみや色素沈着の部分に薄く塗布します。
しみの部分から大きくはみ出さないように使用してください。

目安としては、しみの表面にうっすらのる程度です。
多く塗れば早く効くわけではなく、塗りすぎると赤み・かぶれ・色素沈着悪化の原因になります。

リスク・副作用

トレチノインで起こりうる症状

トレチノインでは、以下のような症状が出ることがあります。

  • 赤み
  • 皮むけ
  • 乾燥
  • ヒリヒリ感
  • かゆみ
  • つっぱり感
  • 一時的な肌荒れ
  • 刺激による色素沈着の悪化
  • かぶれ

特に使用開始後1〜2週間は、赤みや皮むけが出やすい時期です。
軽い症状であれば保湿や使用頻度の調整で継続できることもありますが、赤みや痛みが強い場合は無理に続けず、早めにご相談ください。

ハイドロキノンで起こりうる症状

ハイドロキノンでは、以下のような症状が出ることがあります。

  • 赤み
  • かゆみ
  • ヒリヒリ感
  • 乾燥
  • かぶれ
  • 接触皮膚炎
  • 白抜けのように見える色調変化
  • 色素沈着の悪化
  • まれな青黒い色素沈着

ハイドロキノンは、肌に合わない場合にかぶれを起こすことがあります。
赤みやかゆみが強い場合は、使用を中止して受診してください。

注意点や禁忌

  • 妊娠中・授乳中・妊娠の可能性がある方

妊娠中、授乳中、妊娠の可能性がある方、妊活中の方は、原則としてトレチノイン・ハイドロキノンの使用をおすすめしていません。
米国皮膚科学会では、妊娠中に避けるべき成分として、トレチノインなどのレチノイド類やハイドロキノンが挙げられています。

安全性を優先するため、該当する方は診察時に必ずお申し出ください。

  • 紫外線対策が必要です

トレチノイン・ハイドロキノン使用中の肌は、刺激を受けやすくなります。
紫外線を浴びると、赤みや色素沈着が悪化することがあります。

治療中は、以下を心がけてください。

  • 日焼け止めを毎日使用する
  • 帽子、日傘、マスクなどを活用する
  • 強い日差しを避ける
  • レーザー治療後やピーリング後は特に紫外線に注意する

日中はSPF30以上の日焼け止めや衣類による遮光を推奨します。

  • 他の刺激性スキンケアとの併用に注意

以下のような製品を併用すると、刺激が強く出る場合があります。

  • レチノール配合化粧品
  • ピーリング石けん
  • AHA、BHA配合化粧品
  • 高濃度ビタミンC
  • スクラブ洗顔
  • アルコール濃度の高い化粧品
  • 美顔器、強いマッサージ

使用中のスキンケア用品がある場合は、診察時にご相談ください。

保管方法

トレチノインやハイドロキノンは、光や熱の影響を受けやすい薬剤です。
製剤ごとの指示に従い、冷暗所や冷蔵庫で保管してください。

小さなお子様の手の届かない場所に保管しましょう。

料金(税込)

トレチノイン・ハイドロキノン外用薬は、保険適用外の自費診療です。

・トレチノイン0.025% 2,420円

・トレチノイン0.05% 3,300円

・ハイドロキノン5% 2,420円

・ハイドロキノン10% 3,300円

しみ治療セット

また、当院では、トレチノインとハイドロキノンを組み合わせた、しみ治療セットをご用意しています。

しみ治療スターターセット:0.025%トレチノイン + 5%ハイドロキノン

初めてトレチノイン・ハイドロキノンを使用する方や、刺激が心配な方におすすめのセットです。まずは低めの濃度から開始し、赤み・皮むけ・ヒリヒリ感などの反応を確認しながら治療を進めます。

しみ治療ステップアップセット:0.05%トレチノイン + 5%ハイドロキノン 

スターターセットで刺激症状が少なく、より積極的なしみ・色素沈着治療を希望される方に検討するセットです。0.05%トレチノインは0.025%より刺激が出やすい場合があるため、肌の状態を確認しながら使用します。

 

・しみ治療スターターセット:0.025%トレチノイン+5%ハイドロキノン 4,400円

・しみ治療ステップアップセット:0.05%トレチノイン+5%ハイドロキノン 5,500円

※料金は税込です。
※診察料が別途かかる場合があります。
※肌の状態やしみの種類によっては、外用薬以外の治療をご提案することがあります。
※薬剤の濃度や処方内容は、診察のうえで医師が判断します。

このような場合は早めの受診をおすすめします

以下のような症状がある場合は、自己判断で続けず、早めにご相談ください。

  • 赤みやヒリヒリ感が強い
  • 皮むけが強く、痛みがある
  • かゆみや腫れが出てきた
  • 塗った部分がじゅくじゅくしている
  • しみが濃くなったように感じる
  • 白抜けのような色の変化がある
  • 青黒い色調変化が出てきた
  • 妊娠がわかった、または妊娠の可能性がある
  • 他院でレーザーやピーリングを受ける予定がある
  • 使用方法がわからなくなった
  • 誤って広範囲に塗ってしまった

トレチノイン・ハイドロキノンは、肌の状態に合わせて使い方を調整することが大切です。
「このくらいなら大丈夫」と我慢せず、気になる症状があれば早めに受診してください。

よくある質問

Q.トレチノインとハイドロキノンは何が違いますか
A.トレチノインは、肌のターンオーバーを促す薬です。
ハイドロキノンは、メラニンの生成を抑える薬です。
それぞれ作用が異なるため、しみや色素沈着の状態によって、単独または組み合わせて使用します。

Q.トレチノインとハイドロキノンは、どちらを先に塗りますか?
A.同じ部位に使用する場合、当院では基本的に、保湿後にトレチノインを薄く塗り、その後ハイドロキノンを重ねる方法をご案内しています。
ただし、赤みや皮むけが出やすい方では、ハイドロキノンのみから開始したり、トレチノインの頻度を減らしたりすることがあります。

Q.どのくらいで効果が出ますか?
A.肌質やしみの種類によって異なりますが、数週間から数か月かけて変化をみていく治療です。
短期間で急激に改善するというより、肌の反応を確認しながら少しずつ治療を進めます。

Q.皮むけや赤みが出ても続けてよいですか?
A.軽い赤みや皮むけは出ることがあります。
ただし、痛みが強い、赤みが長引く、かゆみや腫れがある場合は、使用頻度や量の調整が必要です。無理に続けず、受診してください。

Q.毎日使った方が早く効きますか?
A.必ずしも毎日使えばよいというわけではありません。
肌に合わない頻度で使用すると、かぶれや炎症を起こし、かえって色素沈着が悪化することがあります。
医師の指示に従って使用してください。

Q.朝もトレチノインを使えますか?
A.トレチノインは、基本的に夜のみ使用します。
朝はトレチノインを使用せず、必要に応じてハイドロキノンと紫外線対策を行います。

Q.ハイドロキノンは長く使っても大丈夫ですか?
A.長期間の連続使用はおすすめしない場合があります。
肌の状態を確認しながら、使用期間や休薬期間を調整します。
自己判断で長期間使い続けることは避けてください。

Q.妊娠中や授乳中でも使えますか?
A.妊娠中、授乳中、妊娠の可能性がある方、妊活中の方には、原則として使用をおすすめしていません。
安全性を優先し、該当する場合は必ず医師にお伝えください。

Q.市販の美白化粧品と併用できますか?
A.成分によっては刺激が強く出ることがあります。
特にレチノール、ピーリング成分、高濃度ビタミンCなどを含む製品は注意が必要です。
使用中の化粧品がある場合は、診察時にご相談ください。

Q.レーザー治療と併用できますか?
A.しみの種類や治療目的によっては、レーザー治療の前後に外用薬を使用することがあります。
ただし、レーザー直後の肌は敏感になっているため、開始時期や使用方法は医師の指示に従ってください。

Q.顔全体に塗ってもよいですか?
A.基本的には、医師から指示された部位に薄く塗ります。
顔全体に塗ると刺激が強く出ることがあるため、自己判断で広範囲に使用しないでください。

Q.しみなら何でも改善しますか?
A.すべてのしみに効果があるわけではありません。
しみには、老人性色素斑、肝斑、ADM、炎症後色素沈着、ほくろ、悪性の病変など、さまざまな種類があります。
まずは診察でしみの種類を確認することが大切です。

Q.レチノインとハイドロキノンは併用した方がよいですか?
A.
トレチノインとハイドロキノンは作用が異なるため、症状によっては併用することで、より積極的なしみ・色素沈着治療が期待できます。
トレチノインは肌のターンオーバーを促し、ハイドロキノンはメラニンの生成を抑えるため、異なる方向からしみや色素沈着にアプローチします。
ただし、併用すると赤み・皮むけ・ヒリヒリ感などの刺激症状が出やすくなることがあります。
そのため、当院では肌の状態を確認しながら、スターターセットまたはステップアップセットをご提案します。

Q.初めての場合、どちらのセットがおすすめですか?
A.
初めてトレチノイン・ハイドロキノンを使用する方には、基本的にしみ治療スターターセットをご案内します。
0.025%トレチノインと5%ハイドロキノンの組み合わせで、肌の反応を確認しながら始めやすいセットです。
刺激症状が少なく、より積極的な治療を希望される場合には、診察のうえでしみ治療ステップアップセットを検討します。

Q.スターターセットからステップアップセットに変更できますか?
A.
はい。
スターターセットで赤み・皮むけ・ヒリヒリ感などが強く出ず、肌の状態が安定している場合には、診察のうえでステップアップセットへの変更を検討できます。

ただし、濃度を上げることで刺激症状が出やすくなることがあります。
自己判断で濃度を変更せず、医師にご相談ください。

まとめ

トレチノイン・ハイドロキノンは、しみ・くすみ・炎症後色素沈着などに対して使用されることがある外用薬です。

トレチノインは肌のターンオーバーを促し、ハイドロキノンはメラニンの生成を抑える目的で使用します。
一方で、赤み・皮むけ・乾燥・かぶれ・色素沈着の悪化などが起こることがあり、肌の状態に合わせた使用が必要です。

西新井みずの皮膚科クリニックでは、しみの種類や肌質を診察したうえで、トレチノイン・ハイドロキノン外用薬が適しているかを判断します。
「しみを薄くしたい」「にきび跡の色素沈着が気になる」「レーザー後の色素沈着を相談したい」という方は、お気軽にご相談ください。

※本記事は、当院院長が医学的知見と日常診療をもとにまとめています。

院長 水野謙太

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